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<第6回>ロードバイクの選び方~ フレーム素材編 その2~

ロードバイクのフレームを作る素材として、アルミとカーボンがメインであるということを前回のコラムでは書きました。 では、今回はこのアルミのロードバイクについて掘り下げていきたいと思います。

アルミのロードバイク

一般に「アルミ」と言っても、純粋なアルミニウムを使うわけではありません。単体のアルミニウム、というと一円玉を想像していただきたいのですが、1円玉っては柔らかいですよね?アルミニウムだけでは高い剛性が要求されるロードバイクには適していませんので、合金にして使用しています。

ロードバイクのフレームをよく見ると、どんな素材を使っているのか、書いてあることが良くあります。

例えば、この自転車だったら…

アルミのロードバイク

ここ。
概ね、BB付近に書いてあることが多いのではないかと思います。

このフレームでは6061アルミという素材で出来ているということですね。

アルミ合金の種類

世の中には色々な種類のアルミ合金がありますが、一般的にロードバイクで使われることが多いのが6000系のアルミニウム合金で、
一部で7000系が使われているという感じです。

ちなみに、6000系と7000系の大きな違いは強度と耐久性。7000系アルミ合金の方が強度が高く、引張強度、押込み硬さで1.5倍くらい違ってきます。
そのため、7000系アルミの方がより剛性のある、レース向けのフレームを作りやすいと言えます。


それなら、同じ剛性を維持して軽く出来るんじゃ!?と思われるかと思いますが、そうはいきません。
7000系アルミは応力腐食割れ、腐食性には注意が必要な素材なので、耐久性確保の為に結局厚くする必要があり、
6000系アルミのトップフレームと比較すると重くなりがちだという傾向があります。

イマイチ、7000系アルミがアルミロードの主流にならないのは、加工が難しいので製品の値段が上がってしまってカーボンフレームとの価格の棲み分けしにくかったり、重量というわかりやすい比較指標で不利になるから、という大人の事情もあると思います。笑


7000系アルミでロードバイクに使われるのは7005(例:Avedio BacchusSL、BMC ALR01など)や7046(例:Bianchi Fenice PRO)等です。

通常はカーボンバイクに乗ってるけど、落車のリスクがあるレースの時にもカーボンバイクに乗るのはちょっと怖いな…という方にとっては、7000系アルミのバイクは魅力的な選択肢の一つになってくると思います。

続いて、市場的に一番メジャーな6000系アルミです。
耐久性、加工性、強度のバランスが取れていて扱いやすい、ということで近年は6000系アルミのバイクが主流です。

一般的なのは6061アルミで、それこそクロスバイクなどの比較的低価格なフレームで採用されています。
そこからさらにグレードが上がると、より強度の高い6066や6011、6011Aといったアルミ合金を使っています。

例えば、GIANTはこのアルミ合金をグレード別に使い分けていて、レースを意識した15万円以上のロードバイクには6011A、10~15万円クラスには6011、10万円以下には6061となっています。
レースを意識したモデルには硬くてフレーム重量を軽く出来る6011Aを、一方で耐久性と価格を重視したモデルには6061を、というように使い分けているのですね。

近年はアルミバイクの良さが見直され、「下手なカーボンバイクに乗るくらいならこれに乗った方が良い」なんて書かれるハイエンドアルミバイクも出てきています。(金子はこういう記述を見るたびに、下手なカーボンバイクって例えば何だろう??と大変気になります。笑)

それを可能としたのは、アルミの加工技術の向上なのですが…。
それについては、また次回。

おわりに

次回内容のヒントはこれ!

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今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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