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DAIWA CYCLE

<第7回>ロードバイクの選び方~ フレーム素材編 その3 ~

さて、ロードバイクの選び方もどんどんマニアックになってきましたねー。 これでも、まだフレームの選び方の一部ですからねっ! 今回はアルミフレームの加工技術について解説していきたいと思います。 「下手なカーボンバイクを買うくらいならアルミバイクの方がいい」と言われるようになった所以となる、アルミの加工技術について書いていきたいと思います。 後に記載するカーボンバイクの話にも出てくるのですが、技術の進展でロードバイクのどこにどのような力がかかるのかがわかってきました。 ロードバイクの下半分であるヘッドチューブ~ダウンチューブ~チェーンステーには伸びる力が加わり、乗り手が加えるパワーを受け止め、推進力に変える役割を担うので、より高い剛性が必要になります。 一方で、上半分には特に強い力が加わる事が無く、むしろ走行時の快適性に関与することがわかってきました。そのため、トップチューブ、シートステーには高い剛性は必要ないと言われています。

下手なカーボンバイクを買うくらいならアルミバイクの方がいい

高い剛性を持たせる部分と剛性が要らずに軽量化を追求できる部分とが細かく分かってきたということは、

「ここは薄くていいけどここは分厚くしないといけない」

ということが分かったということになります。

ハイドロフォーミング技術

近年のアルミフレームはそのような細かい剛性コントロールを各社が追及するようになってきました。最新のアルミフレームは一本のチューブの中でも、力がかからない部分は薄く、力がかかる部分は厚くして、性能や安全性を担保できるギリギリの厚みでフレームを設計しています。

そんなフレームを実現させる技術として、油圧でパイプを内側から押し出して加工するハイドロフォーミング技術の進展があります。
・・・ま、金子は詳しく知りません。笑

とにかく、いろんな技術が発達して複雑な3次元的な加工が可能となった…らしいです。笑

そういう技術が使われてるフレームって、どうやって見分ければいいの!?ということなんですが、外から見てもよくわかりません。
そういう技術を使った設計をしている場合、フレームにこれ見よがしに書いてある場合があります。

例えば、このBB付近に書かれている

Triple batted(トリプルバテッド)

このTriple batted(トリプルバテッド)というのがそれにあたります。
三か所、厚みが変わっている部分があるという事でして、断面の構造的にはこんな感じです。

要は、中身は複雑な形をしてるんだぜ!ということです。笑
他にも、

HYDRO FORMING(ハイドロフォーミング)

こちらはHYDRO FORMING(ハイドロフォーミング)技術を使って作られたことが記載されています。
アルミの成型技術だけでなく、溶接技術も向上しています。それによって、無駄な溶接部分を減らせるようになりました。

…やっぱり、この辺も良く知らないのでサラッと流します。笑
このように色々な技術が発達した結果…

ボコボコと目立つ溶接部分が滑らかになる

このようにボコボコと目立つ溶接部分が滑らかになり、
一見、これはカーボンフレームなのではないか!?と見間違えてしまうかのような見栄えにもなりました。

もちろん、見栄えだけでなく、性能面でもカーボンに負けないアルミ合金製のロードバイクを作れるようになりました。といっても、トップグレード同士で比較するとカーボンの方が性能は上なのですが、コスト面ではアルミ合金の方が優れています。

GIANTのハイエンドアルミフレームは、2017年モデルではTCR SLRというモデルですが、これはフレーム重量で980g(公称、Mサイズ)となります。

GIANTのハイエンドアルミフレームは、2017年モデルではTCR SLRというモデルですが、これはフレーム重量で980g(公称、Mサイズ)となります。これ、金子が現在所有しているカーボンフレームよりも軽いんですよね…。

見た目にも高級感があり、所有欲も十分に満たしてくれます。笑
これで完成車で20万を切っているというのは、お買い得です。

正直、一日200㎞以上走るとかそういうことをしないのであればカーボンバイクを買わなくても十分なレベルだと思います。それくらい、最新のハイエンドアルミバイクの完成度は高いです。

自分も、レース用にアルミバイクが欲しいな~なんて思ったりしていますが、残念ながら我が家の大蔵省が稟議を通してくれません。涙

…それはさておき。
こんなにアルミバイクを褒めちぎりましたが、先ほども言った通りハイエンド同士で比べれば、性能はアルミよりもカーボンの方が上です。

次回からは、そんなカーボンフレームについて解説していきたいと思います。

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