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DAIWA CYCLE

<第8回>ロードバイクの選び方~ フレーム素材編 その4 ~

ようやくアルミフレーム編が終わって、カーボン編の幕開けです。 現在のロードバイクのメインストリームとなる素材ですので、金子も力を入れて書いていきますよ!

カーボンとは?

ロードバイクで一般的に言われるカーボンというのは、炭素繊維強化プラスチックの事でして、産業的にはCarbon Fiber Reinforced Plastics(CFRP)と言われたりしますが、一般的には炭素繊維を使っている事から単に「カーボン」と呼ばれます。

それに倣って、ここでも単にカーボンと呼びたいと思います。

カーボンはプラスチックの中に炭素繊維を入れて強度を向上させた素材で、プラスチックの「軽いが弾性率が低くて変形しやすい」という特性を弾性率が高く変形しにくい炭素繊維で補強した、軽くて硬い素材です。

イメージでだけ伝えると、鉄筋コンクリートみたいな構造ですね。

カーボンと金属素材の違い

炭素繊維が自転車だけでなく航空機など多くの分野で金属素材を置き換えるようになった最大の理由は、「軽くて強い」ということです。

重さ スチールのおよそ1/4!剛性 他の素材のおよそ5倍!

同じ重量における剛性を比較すると金属材料の5倍以上、性能が高くなっています。

その他にも、振動減衰性が良い、疲労強度が高い、などロードバイクを作る素材として理想的な性質を有しています。

カーボンの特徴

金属と大きく違うところは「素材そのものの設計が出来る」ということです。

どういう事かというと、含まれる炭素繊維の種類や量、太さ、繊維の方向性を変えたり、母材となる熱硬化性樹脂(熱を加えて硬くなる樹脂)を変えることで素材全体の性質を変えることができるということです。

この熱硬化性樹脂のなかでも力学的物性が良いエポキシ樹脂がロードバイクではよく使われています。
エポキシ樹脂を使っているカーボンの特徴としては、

1.一度成型した形状から曲げることはできない

加熱して出来上がった形を変形させることはできません。
金属は強い力が加わった時に曲がったりしますが、カーボンの場合は曲がらずに元の形状に戻ります。
元の形状に戻せる以上の力が加わった場合、折れてしまいます。

2.溶接できない

「熱をかけると固まる」ので、溶接が出来ません。
パーツ同士をくっつけるには接着やボルトやリベットを使っての機械的接合が必要になります。

3.耐熱温度は使う樹脂によって決まる

一般的なエポキシ樹脂では130℃まで耐えると言われますが、あまりフレームの場合には関係ありません。ただし、ブレーキ熱が発生するカーボンホイールでは重要になります。

などがあります。

カーボンで出来たロードバイクは1の性質から、破損する場合はヒビが入ったり折れたりします。高級なフレームが破損するのがショッキングだからなのか何なのか、「カーボンは取り扱いが難しい」「初心者は止めておいた方がいい」なんて言われている時代もありました(今も言われるのかな??)。

金子は「形あるものはいつかは壊れる」という考え方で、「その時に乗りたいものに乗る」のが正解だと思っていますので、「カーボンの方がいいなぁ」と思われる方は是非カーボンに乗ってもらいたいと思っています。

おぉっと、話が飛んでしまいました。汗
今回はここまでにして、次回はカーボンの性質についてもうちょっと踏み込んでみたいと思います。

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